私のはじめてを君に。



「えっ、あっ、はい?」


慌てて離れた先輩。


変なの。


薄暗くなってきた館内を歩きながら考える。


なんかあったのかな?


「あっ、もしかして先輩、暗いのが怖いとか?」


「はっ?違うけど」


なーんだ。


つまんないの。


「って、先輩!?」


あれ?


薄暗くて見失いそう。


まわりはカップルが多いし、間違えて誰かの彼氏さんにでも話しかけたら大変だ。


「百瀬先輩~?」


「ん?」


ドンッとぶつかったのが百瀬先輩だったらしく、ぶつかった背中の主が返事をする。


「大丈夫?」


入り口は狭くて人が混みあっていた。


「ん」


突然掴まれた手にびっくり。


「へっ?」


間抜けな声が出た。