どうしよう。


「桜……」


千暁の彼女が、じっと私を見ていた。


「どうして……悠希が…?」


「悠希、知り合い?」


「千暁の「千暁くんの彼女の…相原桜です」





シーン……と静まり返るリビング。



突然ピッ、と音と共にゲームのBGMが再び流れ始める。


そうちゃんがゲームを再開した音だった。


「うわっ、ずるい!」


「いきなり始めないでよ!」


急いでテレビに向き直る。


「あんたさ」


また画面に目を向けたままそうちゃんが喋りだす。


「兄貴の好きな人、知ってんだろ? あんだけ好き好きオーラ出してるもんな」


えっ、千暁好きな人いたの!?


しかも好き好きオーラなんか出しちゃってるの!?