私のはじめてを君に。



「もう……」


ほっぺを摘まむ信一郎の手を取る。


「信一郎も千暁も私のほっぺいじるのやめてよねー!将来垂れたらどうするの」


「それはそれでいいんじゃない?ブルドック系悠希」


一瞬頭に浮かんだ"ブルドック系悠希"とやらの顔を慌てて消す。


「やだよやだよ!」


「悠希のほっぺは昔から柔らかいからね」


「このやろー……」


いつかブルドック系信一郎とブルドック系千暁にしてやる……!


「あ!それにブルドック、人気じゃん?」


「私はチワワになりたい」


「無理だと思う」


ひど!


「だって悠希、小型犬じゃないもん」


それは私もわかる。


私は小型犬とか小動物キャラじゃない。


「だからモテないのかなあ」


「敬太の告白断っといてよく言うね」