私のはじめてを君に。



すっごい寂しいや……


「う、うん……また、今度……」


千暁は私の頭をポンと叩いて教室を出ていってしまった。


「あ……」


行っちゃった。


「ん?」


千暁と入れ違うようにして入ってきた、信一郎。


「あ、悠希」


「信一郎……どうしたの?」


「あ、定期忘れちゃって」


「そうなんだ」


「悠希は?千暁とお好み焼きって言ってなかったっけ」


「その予定だったんだけど……千暁、帰っちゃった」


「……久しぶりに俺と帰る?」


「そうさせてもらう」


優しい信一郎に甘えさせてもらおう。


なんだか今は一人でいたくない。


リュックを背負って信一郎を追いかける。