私のはじめてを君に。



「俺、去年からずっと倉野が好きだった」


え?


「そう、なの?」


「うん」


ずっと、一線引かれてる感じでよそよそしいと思ってたのに。


「ごめん……全然気づかなかった」


「だよね。いつも千暁と信一郎と一緒だし」


「うん……」


「倉野の、ご健闘を祈ります」


バッと敬礼して、吉岡は化学室を出ていった。




…………ん?


なんだ?最後、なんで無理矢理話終わらされた?


私、なんか言っちゃったかな。


言って、ないよね?


って。


お好み焼き!


私も化学室を飛び出し、教室に向かう。


千暁、いるよね?


待っててくれるよね!


「千暁くん」


ん!