ピタッと止まって、入った教室は化学室。
入った瞬間独特の薬の臭いが鼻につく。
文系だから化学とは無縁でこの臭いがなんの薬品なのかサッパリわかんないや。
「好きです」
「あ」
「つきあってください」
じっと真っ直ぐ目を見つめてくる。
私の返事は決まってる。
「……ごめんなさい」
「……そっか」
やっぱり、と言って髪の毛をクシャとする吉岡。
「千暁に、敵わなかったのかな」
「……うん、ごめんなさい」
「でも千暁には彼女がいるんだよ?」
わかってる。
「別に、千暁はそういうのじゃないから」
「……じゃあ、なに?」
「幼なじみなんだよ……吉岡と行った映画館、よく千暁と一緒に行くから比べちゃって」

