「ほら背中を向けて」


聖人の言葉にぞっと鳥肌が立つ。


「無理だよ、聖ちゃん。あたしは………」

「早く向けなさい、ニカ」


叱責するように言われて、体がびくりと震える。脳が痺れて、まるで催眠術にでもかかったかのようにまた聖人に逆らえなくなる。

震えながらのろのろ背中を向けると、聖人は背中に垂れたあたしの髪を掻き分けて露わになったうなじに唇を落としてきた。



--------やめて聖ちゃん。あたしに触らないで。



聖人に触れられるその感触に悲鳴をあげたいのに、声が出ない。聖人は唇であたしの肌を擦りながら、ビスチェのホックをひとつひとつ外していく。



「………お願い……」



やめて聖ちゃん。なんでこんなことするの。



-------たすけて。