「聞いてんのかよ、崎谷ッ」
「……それで?水原くんは何が言いたいの?」
怒鳴られても顔色ひとつ変えずにあたしが聞くと、渚は一瞬ひるんだように言葉を飲んだ。
「七瀬くんが今日休んだ理由なんて知らないけど、まさか昨日あたしが言った言葉で七瀬くんのプライドがずたずたになったせいとか、そういうことが言いたいの?」
外見のイメージだけであたしのこと扱いやすい大人しそうな女子なんだろうって勝手に思ってたんだろう。
強気にふてぶてしく喋るあたしに、渚はあっけに取られたような顔になった。
「だとしたら七瀬くんに謝ればいい?キスさせてあげられなくてごめんなさいって?……それとも『キス童貞』だってこと、指摘しちゃってごめんなさいって言った方がいいのかな」
渚の中の『根暗ぼっち』なあたしのイメージを塗り潰していくのがたのしくて、わざと嫌味っぽく言っていた。
「崎谷、てめぇッ」


