………こいつ、本気で今あたしに『ナンパ』とかしてんのかよ。
教室であたしのこと、さんざんブス扱いしてるくせに。そのブス相手にこんな必死こいて口説いてるとか哀れすぎ。
呆れて物が言えずにいると、そんなあたしの態度を『男慣れしてないウブな反応』だとでも思ったのか、佐々木はますます馴れ馴れしく話しかけてくる。
「西門高って知らない?結構有名な進学校なんだけど。俺らそこの生徒だから安心してよ」
意味のわからない口説き文句だ。
佐々木はうち程度の学校の学歴が、女釣るネタになるとでも思ってるのか。だとしたら痛すぎ。というか、こっちが黙ってるのにぐいぐい話しかけてくるなんて、しつこい。ちょっとずつ歩こうとしても、ついてくるし。
こういうとき、どうあしらってやればいいんだろ。
そんなことを思いながら駅の方に視線を向けると。
ゆっくりと、駅の構内から歩いてくる人の姿が目に入った。
----------渚だ。


