もう着ることもないだろうって思ってたその派手な服の中に、わりと控えめで流行的にもまだヤバくなさそうなものがいくつか見つかった。
あたしが着ると無駄に胸のサイズが強調される、オフショルダーのブラウス。
ババアは『そんな肩も胸元も出した服、自分から男の人に“いやらしい目で見てください”って言ってるようなものではしたないでしょう』って不快げに言って、すごく嫌っていたけど。
色が爽やかなミントブルーで、デザインも胸元にフリルがついてるフェミニン系だから、ショート丈でおへそとかお腹がちら見えしそうにはなるけれど、このブラウス単体で見ればババアが喚くほどいやらしい感じはしない。
これに短すぎない程よい丈感の真っ白なショートパンツと、ハイカットの厚底スニーカーを組み合わせれば、肌見せ多めでもギャルっぽくなくてわりとヘルシーな印象になる。
『LiLiCA』のワンピほど可愛らしくはないけれど、少なくともビッチ系には見えないはず。
それでもきっと、お嬢様風のカーデとか長めのプリーツスカートとか、お上品なものばかりあたしに着させていたババアはすごく嫌いそうなコーディネイトだ。
きっと聖人も、見たら『脚とか胸元とか出し過ぎだよ』って嫌な顔しそうだし。
……でもババアにも聖人にも、もう会うことはないだろうから関係ない。
前は多少のうしろめたさを感じつつもうす暗い反抗心を満たすために、ババアや聖人が『はしたない』って言ってた恰好をしていたけれど。
今はなんだか単純に、あたしなりに自分が着てみたいものを楽しもうとしてる自分がいる。
------------着るものはこれでいいや。
鏡でもういちど確かめてから、決定にする。
次ぎは髪だ。


