なのに。


京はわたしの気持ちを解ってるのかいないのか、再び開いた口で予想外なことを言った。


「おまえの兄貴にちゃんと挨拶する。それから、おまえを昨晩泊めたときちんと話す。

俺はまだ学生のおまえを隠れ蓑にして保身に逃げるような、そんないい加減な気持ちで抱いた訳じゃない。

大人として、男として、責任ならきちんと持つしけじめも着ける」


「京……」


まさか、そんな覚悟までしてくれてたなんて。


たった一晩だけの関係とわたしは思ってたのに、京はちゃんとわたしの事を考えていてくれたんだ。