「ああ、だから来たんだ」


運転席の京は意味不明な事を言う。


「今日のパーティーはおまえも出るだろ? ちゃんとしたカッコして兄貴に恥を掻かせないようにしなきゃな」


「え?」


わたしが目を見張り京を見ると、彼はわたしを見ないまま真顔になった。


「今日挨拶するなら結婚祝いぐらいは持参しないと失礼になるだろ?」



挨拶……?


京はなにが言いたいの?


「どうして? 京、内緒にするんじゃないの?」


わたしを連れて挨拶なんかしたら、京がどんなに責められるか解ってる。


だから、わたしは忘れようって言ったんだよ。