京が慣れた様子でわたしを助手席に乗せ、運転席に座って車のエンジンをかけた。 シートベルトをして車が発進し、京のアパートが遠ざかってゆく。 何か、大切なものを置き去りにしてしまった。そんな侘びしさと虚しさがわたしを重い気持ちにさせた。 でも、しばらくしてぼんやりと見ていた街並みが、見慣れない土地だと気付いた。 わたしが住む街より高いビルやマンション、道行く人たちも洗練されて垢抜けてる。 「……先生、ここわたしの家と全然違いますけど?」