愛なんてない




わたしとこんな事をしたなんて、京も今は現実に戻ってきっと後悔してるよね。何を血迷ったんだって。


忘れなきゃ。きっぱりと忘れなきゃ。


でないときっと京を意識して迷惑をかけてしまうから。


わたしは独りでも……平気……だから。


「ヒック……」


泣いちゃだめ、と思うのに、涙が止まらない。


大丈夫、きっと京はわたしの様子なんか気にしてない。今はカノジョに電話でもしてるかもしれない。


激しく落ちるシャワーの残響音に紛れ、わたしは声を押し殺して泣いた。