「汗かいて気持ち悪いだろ……それに……」


京はなぜか言いにくそうにボソッと吐き出す。


「避妊はしたが、完璧じゃないし。ちゃんと洗っとけ」


「ん……わかった」


京が言っている意味が、今のわたしにはわかった。


避妊は完璧じゃない。油断すれば赤ちゃんが出来てしまう。京はそれを恐れてるんだ。


別に責任を取って欲しかったわけじゃない。


それでも、京の気持ちは欠片もわたしにない現実を思い知らされ、わたしの胸にチクリと針が刺されたような痛みが走る。