愛なんてない




そう話した京はわたしから離れて立ち上がる気配がした。


――イヤ。


そうじゃない、そうじゃないのに。


確かにわたしは京が好きだって言えないけど……わたしは……。


「いや……そんなのいや!!」


生まれて初めて得た快感の虜になり、わたしは気が狂ったのかもしれない。


離れようとする京に自分からすがりついたのだから。


「ばッ……おまえ!!」


京はわたしの頭を押そうとするけど、わたしはそれに負けずに自分からキスをした。