愛なんてない




「弥生、久しぶり! 元気だった?」


麻美も近づき、眠り続ける弥生に挨拶をする。


「弥生、ピンクのワンピース、すごくよく似合ってるよ! うん、かわいい! 相良先生も襲いたくなるんじゃない?」


麻美がからかうような目で見るから、俺はゴホゴホと空咳をして誤魔化した。


確かに。


十年間弥生は全く変わらないわけじゃない。


毎日毎日どんどん綺麗になった。


見るたびに美しくなる弥生に、俺の心は千々に乱れる。


抱きしめたいと、何度願ったか。


あの柔らかい肌を味わいたいと。狂ったような情熱で貪りたいと。