「ただいま、弥生。明日花見にいくぞ」 俺がそう告げると、佐々木さんが弥生の代わりに喜んでくれる。 「弥生さん、良かったわね。明日はお洒落していきましょうか? 久しぶりにみんなに会えるから」 佐々木さんは弥生が入院した時の40代の担当看護師で、退院してからはこうして仕事中や外出先で毎日付き添ってくれる。 俺たちをずっと見守ってくれた母親のような頼もしい存在だった。 「明日、よろしくお願いします」 俺が頭を下げると、佐々木さんはいいのよと微笑む。