愛なんてない




もちろん弥生は意識がないから、本人の承諾はない。


だが、俺は弥生が俺に言った“結婚して”。

それだけで充分だった。




「相良先生、おはようございます!」


「小テストなしにしませんか~?」


「北村、おまえテスト12点だったくせにバカ言うな。だったら居残りか課題増量のどちらがいい?」


十年ひと昔と言うが、学生は変わらない。


俺は相変わらず鬼教師と呼ばれる。


それでいい。


俺の優しさは愛は全て弥生に。