どうしたものか、とわたしは襖を前に立ちすくんで悩んだ。
まさか、相良先生が持っていったの?
でも、それは意味がわからない。相良先生がわたしのカバンに何の用事があるというの。
着信音からして相手はたぶんお兄ちゃんだ。早くでないと余計に心配をされてしまう。
まさか先生の家にいるなんてバカ正直に言えないから、雨に降られて麻美の家に避難したって言い訳しよう。
その前に相良先生にカバンを取りってもらわないと、とわたしは思い切って襖越しに声をかけてみた。
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