しかし、助かってからが本当に地獄の始まりだった。


重度の麻薬中毒に、深い深いトラウマによる錯乱に重度の記憶障害。及び多重人格障害。


そして。


葵さんの妊娠。


もちろん生めるはずもない。


けれども、京はこう言った。


「僕がつらいことも葵の命も赤ん坊の命も人生も全て引き受ける。だから、葵は何にも心配しなくていいよ。
僕の命も体も心も……全て葵とともに。
愛も全ては葵と永遠に。
僕は永遠に葵しか愛さない。愛せない。
どんな姿になろうとも関係ないよ。
赤ん坊の父親なんて、僕1人で十分だろう?
せっかくこの世に授かった命だから、産んで欲しい」


そして、京は葵さんに。


「結婚しよう、葵。2人で幸せになろう。一生僕は君を護るために生きよう。僕の全ては葵のものだ」


そして、京は葵さんと入籍し正式な夫婦となった。