愛なんてない




「いえ、わたしは構いませんよ」


迷惑かどうか決めるのは京だから。わたしは言えない言葉を口の中で呟いた。


クリームシチューを幸せそうに笑顔で食べてくれる女の子を見てたら、作ってよかったなって思う。


「おいしい! おいしいよ」


「ありがとう」


自然とそんな言葉が口をついて出た。


ボロボロと口からジャガイモをこぼすのを拾い集め、世話を焼く女性の姿は完全にお母さん。


子どもってかわいい。自然と口元が綻んでそう思えた。