わたしには京を止めたり縛り付ける権利は塵ほどもない。


うぬぼれちゃだめ。


でも、だからこそ京を喜ばせたい。幸せにしたい。


わたし自身が価値ある存在と京に認めてもらいたい。


京に全てを任せて甘えるのはいや。


掃除だって洗濯だって。何でも頑張ろう。


あさりが浮かぶクリームシチューをおたまですくい、小皿によそって味を確かめる。


うん、美味しい。


ジャガイモもにんじんも十分に火が通ってる。


一度火を止めて、サンドイッチを作ろうと材料を揃えていた時、玄関のチャイムが鳴った。