「いいもん! ど~せわたしは美人じゃありませんから。泣き顔だってさほど変わりないですし」


「……そうだな。望月は美人じゃないもんな。 宮沢と比べたら月とスッポンだ」


まさか麻美を引き合いに出すなんて! とわたしはますますむくれた。


そりゃあ、麻美は街を歩いてれば一度はナンパされるし、芸能界のスカウトを受けたのだって何回かあるけど。


「先生、ひどい! お世辞でもかわいいって言わなきゃだめじゃん」


むうう、とわたしがほっぺたを膨らませれば、相良先生は声をあげて笑ったからホッとした。