京は言葉を切ってわたしを真剣な瞳で見た。
「一緒に暮らそう、弥生。俺がおまえを護ってやる」
「京……」
京はわたしを息苦しいほど抱きしめ、耳元で囁いた。
「おまえの居場所、俺が作ってやるよ。言葉だけで信じられないなら、結婚したっていい」
「……京……」
わたしは信じられない思いでそれを聴いた。
だって。
なら、どうして。
どうして京は苦しげな顔をしたの?
どうしてあんなに悲しそうだったの?
葵さんだって……忘れられないのに?
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