愛なんてない




わたしは相良先生だから、信じたんだ。


漸くそうなんだと自分の心に気付いた。


こうしてバスタオル一枚の姿を晒すのも、相良先生だから平気だったんだ。


だって、ほら。


「わたし……相良先生なら平気です。先生を信じてますから」


わたしがそう言って真っ直ぐに相良先生を見ると、先生はすぐに目をそらした。


「……そんな目で見るな」


相良先生は一瞬揺らめいた瞳を外し、わたしを床から解放して離れた場所に座り込んだ。


わたしに向けた背中が丸まって、なんだか苦しんでいる?様に見えた。


わたしはなんとなく居たたまれなくて、相良先生のそばにいざって近づいた。


「……先生」


どうしていいのか分からず、わたしはそっと右手を伸ばしたのだけど。


「触るな」


相良先生の拒否する声がまっすぐ突き刺さり、その痛みがわたしの動きを封じ込めた。