無意識に葵さんの名前を呼びながら。
おかしいよ、京。
どうしたの?
体でもおかしいのかなあ?
わたしは京の額に手を着けて熱がないとわかり首を捻った。
「京、熱ないね。どうしてわたしを抱かないの? どうしてわたしにくれないの? うふふ、おかしい京」
早く、早くちょうだいよ。
わたしは京にそう訴えるためにジャケットを脱ごうとした。
「……弥生……」
「京、わたしにくれないの?いや?」
不安になったわたしは涙を溢れさせながら京を見上げた。
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