愛なんてない




衣擦れの音が国語科準備室に響き、京がはっとした顔で振り向いた。


「望月、おまえなにを……!?」


京が困惑した声で目を見開いてわたしを見てる。


「ふふふ。京、わたしを見て……うふふふ」


わたしは完全に制服を脱ぎ去ると、椅子に腰掛けている京に近づいて彼にキスをした。


「望月! おまえいったいどうした……!?」


わたしが伸ばした手を力づくで押さえつけた京は、眉を寄せて低い声でわたしに問う。


わたしは訳が分からなくて目を瞬かせた。