愛なんてない




きっと幸せな顔をしていたに違いない。


だって、今までで一番解放されていたから。


何も思い煩う事もなく、何も遠慮せずに京を求められたから。




京は教卓の椅子に座って背を向けたまま話した。


「遅くに呼び出して悪いが、そこの赤いファイルの中を分類してホチキスで綴じてくれないか?」


キョウ、ナニヲイッテルノ?


ワタシハソンナコトドウデモイイノ。


イツモミタイニワタシヲ……。


わたしは躊躇うことなくその場で制服に手をかけ脱ぎ捨てた。