わたしを見ないで。


わたしを乱さないで。


「先生には、わたしに何の関わりもないじゃないですか。
あんまりしつこいと教育委員会に訴えます」


押し付けられた体に力を込め、押し返そうともがいた。


けど、京は黙ったままで。


わたしひとりだけが余裕をなくしてるのが悔しくて、思わず声を荒げた。


「先生には、関係ないでしょう! わたしが退学しようが死のうが……関係ない!」




ガン、と背後の桜の木が激しく揺れた。


それのせいか、今まで以上に多くの花びらが舞い落ちる。