わたしがわざと呼んでも、京は毛ほども動じてないのだと判るのが悲しい。


わたしに関心などないと暗に告げられているみたいで。


「離してください。わたし……職員室に行かなきゃいけませんから」


「何のためだ? 在校生は明日の入学式の準備に狩り出されてるはずだ」


何のため?


それをどうして京が知る必要があるの?


わたしに何の関心もないくせに、わたしを嫌いなくせに。なぜなの?


わたしは荒立つ心をそのまま苛立ちに乗せ、京へストレートにぶつけた。