わたし達は昇降口で別れた。


「じゃあ、後でね」


わたしは麻美に手を振って別れ、おばさんに付き添われ職員室を目指す。


「さ、弥生ちゃん。行きましょう」


「はい」


意を決して昇降口に向かった時、なぜかローファーの紐が切れた。


「あら、やだ。……弥生ちゃん、ちょっと待ってて。車に行って麻美の予備の靴持ってくるわ」


「すいません」


わたしは恐縮しながらも、やっぱり紐が切れたままだと歩きにくいから待つことにした。







と。


突然に強い風が吹き、ザアッと薄ピンクの花びらを散らした。