愛なんてない




「え、学校を辞めるの!?」


やっぱり麻美はとても驚いてた。


「なんで? そりゃあお兄さんは結婚したけど、兄嫁はいい人じゃん!お兄さんも優しいし……大学に行ってもいいって言ってるんでしょ?」


「うん……」


わたしは曖昧な笑みを返すしかない。


「わたしね……この1ヶ月でいろいろあった。もうすぐ新学期だけど、その前にすっぱり踏ん切りを付けたいと思って。
いろいろ考えたの。
わたしの価値や生きる意味。
このままお兄ちゃんに甘えてても、たぶん何も変わらない。だから、自分で働いてそれを見つけたいの」