愛なんてない













ふと、目が覚めた。


まぶしい光が頬を暖め、肌触りのいい布団がしっかり被せられてる。


薄目を開ければ吹き付けの天井にちょっと豪華なシーリングライト。タンスの上にはぬいぐるみ。


壁紙やカーテンはピンクで統一されたかわいらしい部屋。


ここは……


ゴチン!と派手な音がして「いてっ!」とうめき声がして、ベッドの縁から額を腫らした麻美が顔を出した。


「弥生、気が付いた!?」


「あ……うん。わたし……?」


状況がよくわからないでいると、麻美はポロポロと涙を流しだした。