「いいから、あのウナギ屋の駐車場」


麻美に教えられた通り、わたしはそちらに何気なく目を向けて。




ドクン、と心臓が大きく鳴った。




白いスカイラインに、内装はゴシック調の黒のシンプルなシート。


忘れるはずもない。


たった10日前にわたしにあった幸せな時間。


あれからさほど経ってないのに、まるで何年も昔のよう。


あれ以来京の授業はないから、わたし達は一言も言葉を交わしてなかった。


お兄ちゃんのパーティーに本当に京が出たのは後でDVDを見せられたから知ってる。