「弥生、弥生ったら!」


ぺちん、と鋭い痛みがおでこに走り、わたしは我に返る。


どうやら麻美がデコピンをくれたらしい。


「え、なに麻美?」


わたしが額をさすりながら訊くと、麻美は盛大な溜め息を着いた。


「ほら! またぼーっとしてた。あんた最近おかしいよ? 目の下にクマ作ってるし……顔色悪いし。ご飯だって全然食べないしさ。
体大丈夫なの? 疲れすぎてるんじゃない?」


麻美が心配げに言ってくれて、わたしの目からじわっと涙がこぼれた。