京を護らなくちゃ、とわたしは必死になって懇願した。
「お兄ちゃん、お願い! 京は何も悪くないの!! 悪いのはわたしなんだから……お仕置きならわたしだけにして」
わたしが小学校中学年から、悪いことをすればお兄ちゃんはわたしに「お仕置き」をしてきた。
それを受ければお兄ちゃんは全てを許してくれたから、わたしはイヤでもそれを甘んじて受けてきた。
だから、今も機嫌を直して欲しくてわたしはお兄ちゃんにすがりつく。
「本当に反省してるのか、弥生?」
お兄ちゃんの静かな怒声がわたしに突き刺さる。
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