相良先生の言うとおり、わたしは呆れるほどに“お子ちゃま”。 こんなわがままなわたしと、義妹を寝ずに思いやるオトナな咲子さんを比べること自体おこがましい。 人間的にも決定的な差がありすぎる。 お兄ちゃんと婚約者の一生に一度の甘い日を、わたしのために台無しにしてしまった。 罪悪感がこみ上げてきて、わたしはいろんな意味で咲子さんを正視できず俯いた。 「……ごめんなさい……」 消え入りそうな声でなんとか謝った。