わたしはもう相良先生に甘えちゃいけないし、そんな権利もないのだから。 「お願いです。わたしはお兄ちゃんに叱られてもいいですから……相良先生は……もうわたしに関わらないでください」 これだけ言葉を尽くせば大丈夫、きっと伝わった。 相良先生もわたしの提案に乗ってくれるはず。 わたしはそう思いながら相良先生を見ようとしたら、唐突にコンコンと窓ガラスが叩かれてビクッと体が揺れた。 こんな場所でウィンドウガラスを叩いてくるのは、お兄ちゃんくらいしかいない。