いや……! もがいても男の子の力に敵わない。 涙で滲んだ視界でも、心の中では京を呼び続けてた。 突然鈍い音がして新美くんの体が揺れ、動きが止まったと思うとそのままズルズルと地面に倒れ込んだ。 「あ……」 ぼやけた視界に、肩で息をした京の姿が映る。 「京っ……!」 わたしはその名前を呼んだ途端にガクガクと震えた膝が力を失い、その場にしゃがみ込んだ。