愛なんてない







わたしは気持ち悪さから震える体を自分で抱きしめた。


「どうしたの? 震えちゃって。寒いなら僕があっためてあげようか」


「いえ……いいです」


わたしは早くお店から離れたいのに、よりによって新美くんはわたしを暗い場所……生け垣がある駐車場に連れ込もうとした。


「ダチの車借りてんだ。そこでたっぷりあっためてあげるよ」


新美くんは優しげな笑みを豹変させ、嫌らしいニタニタ笑いになってた。


そこで初めて身の危険を感じたわたしは、新美くんから逃れようと身を捩った。