ところが、突然後ろから肩を掴まれ思わず「ひゃっ!」と奇妙な悲鳴を上げ飛び退いた。


「ちょっとキミ、落としたよ」


「え……」


若い男性の声がしてすぐ、わたしの目の前に銀色のショールが差し出された。


いけない! 落としちゃったんだ。


わたしはお詫びの意味も込めて慌てて頭を下げた。


「す、すいません! ありがとうございます」


やだな、過剰に反応しちゃって失礼になったよね。


恥ずかしくて顔がちょっとだけ熱い。


「いや、いいよ」


意外にも相手は気にしてない風で。