「あ、はい。とってもかわいいです。服が」
わたしがそう答えると、里美さんはケタケタと可笑しそうに笑った。
「本当に服だけかしらね? 後であの無愛想にも訊いてみなさいね」
「え?」
「ああ、そうそう。着替えの入った紙袋には替えの下着も入れたわ。サービスだから気にしないでいいわよ」
愉しげな様子でウインクした里美さんの言ってる意味がよく理解出来ない。
「それじゃあ、京。しめて3万8000円になりまーす」
わたしが首を捻ってる間に里美さんは京からちゃっかりお代を頂いてた。
「あ、わたしちょっとでも払います」
出させる訳にはいかないと財布を取り出したわたしの手を、京は「いいから」と制止した。
「男に恥掻かせるなよ」
こんなところで意地を張るのはやっぱり京らしくて、申し訳ないながらわたしは少し微笑ましく思えた。



