愛なんてない




やっぱり……貧乏なわたしがこんな格好をしても似合わないんだ。


似合うはずがないよね、いつもいつも980円のシャツとかしか着てないもん。


ツンと痛くなった鼻を押さえ、わたしは更衣室に入ろうとパンプスを脱いだ。


「ちょっと、弥生ちゃん。なんで脱いじゃうのよ」


里美さんが慌てて駆け寄り、わたしの肩を掴んだ。

そんなの、京の反応を見た里美さんだって分かってるくせに。


「スポンサーが気に入らなければ仕方ないですから」


わたしは惨めな気持ちを抑えようとせず投げやりに言った。