「あ……あ、ごめんなさい。何でもないの」
里美さんは綺麗に巻いた髪をかきあげ、わたしにふんわりと笑んでくれた。
「今日パーティーに着る服と下着だったわね。任せて! 一番かわいく見えるようにしてあげるから」
里美さんはさっきまでの様子が嘘みたいに張り切って生き生きと選び出した。
わたしの気のせいだったのかな?
わたしはそう思おうとした。
だって、京がわたしに本気のはずないから、彼の過去に何かあったとしても、わたしには関係ないんだって。
だからその時のわたしはわざと耳を塞ぎ目を閉じた。
それが後々後悔する事になるなんて知らずに、わたしは京に関心がないふりをしたんだ。
わたしがそうしなければ、京をあんなにする事もなかったかもしれないのに……。