翼早、洸、慧のそれぞれに電話を掛けても留守電に繋がる。


アイツら飲んで潰れてるな……。



こうなったら、帰る場所は“実家”しかねぇわ。


仕方なく夜中に実家に帰ると、珍しく玄関に親父の革靴。


リビングの明かりが着いてる。


帰って来たばっかか……。



リビングのドアを開けると、親父がびっくりした顔で俺を見た。


んな化け物みたような顔しなくても…。


「久しぶりだな。駆琉」

「おう。久しぶり」

「元気にしてたか?あ、母ちゃんと姉ちゃんに尻に敷かれてないか?」

「やや敷かれ気味」

「だろうな!」


年の割りに若いと言われる俺の親父。


母ちゃんに尻に敷かれてるけど、実は会社経営をする敏腕社長。


まだ親父とは気が合う…と思う。


「駆琉はまたケンカか〜。口、ケガしてるな」

「彼女には気付いてもらえなかったのに親父が気付くとか…」

「あはは!!残念だったなぁ!!」


なぁ、なんでそんな面白そうなの?


日頃尻に敷かれてるストレス発散かコラ!