8時5分、チビを後ろに乗せてバイクで登校する。


つーか、チビの家の合鍵作ってねぇから登下校一緒じゃん。


めんどくせーな……。


「おい、チビ。鍵貸せよ」

「え……なんで?」

「今から合鍵作って来る。お前と登下校一緒なんて、ごめんだ」

「居候してる身のくせに失礼!ちゃんと授業出ない不良に鍵は渡しません!」

「クソチビ生意気…鍵出せよ!」

「いーやーだー!!助けてー!……きゃっ!変態!どこ触ってんの!?」


クソチビを後ろから抱え込んで、強行突破で探してやる…!


なんて二人で暴れてたところで、聞き慣れた低い声がした。


「何してんのお前ら……。朝から暑苦しいわ…。イチャるならホテル行けや」

「げっ、翼早」

「あ!翼早〜!!助けてよ!駆琉にセクハラされるっ!」

「おー。可愛がってもらえよ。んじゃ、お先に〜」

「翼早見捨てないでー!……あ」

「鍵ゲットー」


単純にスカートのポケットの中。


あんなに暴れる必要なかった。


無駄な労力使ったけど、これで合鍵作れるなら良い。



「じゃあな、チビ。帰り送ってやるから待ってろ」

「上から目線過ぎだし!」


上から目線じゃなくて、俺は元からこんな性格なんだよ。


チビんちの居候は悪くねぇな。