誰かが心地良い声で俺の名前を呼んでる。


そっと目を開けると電気の光が目を刺激して、眩しさに目を細める。


「駆琉くん。起きてよ」

「んー……チビ…」

「あ、低血圧なんだっけ?慧が教えてくれたの」

「あっそ…」


チビが俺の顔を覗き込む。


腹立つぐらい可愛い。



ダルイ体を無理矢理起こすと、良い匂いが鼻を掠めた。


腹減った……。


「ハンバーグ作ったの!冷凍じゃなくて、手作りで頑張っちゃった!」

「お前料理出来んだ……意外」

「一人暮らしですから〜♪食べる?」

「食う」


皿に丁寧に盛り付けられた手作りのハンバーグ。


普通にうまいし。


「…美味しいかな?」

「うまいけど」

「うひゃあっ!!」


顔を赤くして悲鳴を上げた。


よく意味分かんねぇけど、喜んでるからいっか……。


久しぶりにちゃんとしたメシ食えて俺は満足。


居候場所をここにして良かったかもしれないな。


たまには翼早の言うことも聞くもんだ。