「えっと……駆琉くん…?」


遠慮がちに聞こえてきたチビの声。


やっと来た……。


「遅い。バカ」

「あたし達待ち合わせとかしてたっけ…?してない気が…」

「いきなりだけど、今日お前んち泊まる」

「……はい?」


なんだよ、その鳩が豆鉄砲くらったような顔。


返事をしないで呆然としてるチビの手を引っ張ってバイクに乗せる。


別に家までの道覚えてるし。


「ちょっ、ちょっと待って!?ど、どうしてあたしの家!?いつものメンバーは…?」

「チビは俺に野宿させてーのか。良い身分してんな」

「ち、違います!!是非来てくださいー!!」

「行ってやる」



半ば強引に押し掛けたチビのマンション。


相変わらず落ち着かないぐらいの、ぬいぐるみの数。


「どうして駆琉くんは、あたしの家に泊まるの?」

「一人暮らしだから」

「それだけ…?」

「細かいこと話すのめんどくせー」


ソファーに座ってテレビをつけた。


眠たい………。