気を使った麻歌が部屋から出てって、翼早と二人になる。
麻歌はよく出来た彼女だ。
「あ〜……タバコ吸う。もう我慢の限界」
「翼早が珍しいな。禁煙中?」
「ちげーよ。麻歌がいる前では吸わないようにしてる」
コイツらが長く続く理由が分かる。
俺はこんな彼氏になれねぇし。
翼早がタバコを吸う隣で、俺もタバコに火をつけた。
「これからどこ行くの?俺の家にいたら、確実にお前の母ちゃんにバレっぞ」
「洸んちにでも匿ってもらうつもり」
「あ〜……それなら、アイツ。想乃んち行けよ。一人暮らしらしいし」
想乃…?
あのチビ女?
確かに一人暮らしだな。
「あのチビんとこ行くわ」
「ただ、すぐ手出すなよ?」
「むしろ、あんなチビ相手にするほど飢えてねぇから」
「それなら良いや」
住む家確保ー。
それから翼早と遅めの登校をして、放課後の下駄箱でチビを出待ち。
新しい女でも出来ればなぁ。

